子どもの読書活動の教育的効果

2020年7月8日

文部科学省では、

子どもの読書活動の推進について、以下のように述べています。

○  読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものです。
○  平成12年12月の教育改革国民会議報告(首相官邸ホームページにリンク)においても「読み、書き、話すなど言葉の教育」を重視すべきことが提言されています。

文部科学省 子どもの読書活動推進ホームページ 「読書活動の重要性」より抜粋

インターネットによる情報収集が主流になる中、活字を読むことの必要性を声高に訴えています。

 

皆さんの中にも、それほどまでに読書にこだわらなくてもいいのではないかと考える方もいるかもしれません。

 

例えば、ちょっとした物語でさえも、テレビやビデオで観られたり、You Tubeの動画で観られたりするご時世です。

それでは、映像で見ることと読書をすることでは、何がどう違うのでしょうか。
 
ちなみに、下の本は、当団体が寄贈している本の中の一冊。
表紙絵をみて、すぐに気づかれたことと思います。
表題は、Doragons doughter(竜の娘)になっていますが、完全に「浦島太郎」ですね。
文章は、クメール語と英語の両方で書かれています。

浦島太郎は、室町時代に作られた「おとぎ草子」の中のお話の一選。

日本の民話が、カンボジアの子たちにも読まれているわけで、大変興味深いことです。

実は、このシリーズ、巻末ページに、教訓として一言書いてあるのが面白いです。

お気づきになりましたか。

 

Promise is a debt.(約束は恩義である。)

つまり、このシリーズは世界の民話を集めながらも、徳育を目的としていることがわかります。

仏教国のカンボジアらしいですね。

 

さて、カンボジアの子供たちは、読書をするときに、必ず音読をします。

子どもたちは、そのように指導されているのだと思います。

文字を目で見て、頭で判断し、声に出し、頭で場面を理解し、想像しながら、読み進めるのです。

そして、その発声を自分の耳で聞くことも同時に行います。

読む、話す、聴く

言語をフルに活用していることがわかります。

しかも、英語も学習できる。

 

これは、まさに、主体的な言語活動。

 

ビデオを見ることは、言語を聞きますが、やや受動的な活動です。

なぜなら、途中で集中を切らしても、お話は勝手に進んでいくからです。

 

その反対に、読書はあくまでも能動的な活動です。

しかも、好ましい文章を、自ら発声することで、正しい文章感が自然と身に付いていくものでもあります。

 

1970年代、私の子どもの頃は、ビデオもインターネットもありませんでした。

何か調べ物をしたければ、本屋さんに行くか、図書館で調べるかのどちらか。

文字を読むことでしか、情報を得ることはできなかったのです。

 

思えば、小学校4年のときには、木造校舎の薄暗い図書室に通い、一角にあった偉人伝記シリーズを片っ端から読んだものです。

家に帰って、こたつの中で。

学校の帰り道に、神社の境内で。

食事するのも、もどかしく、続きが読みたいがために慌てて食べて、一目散に居間に向かいました。

 

そうまでして、読んだ本。

面白いことに、その内容は、今でもおぼろげに頭の片隅に残っていて、目を閉じれば当時の感激も浮かび上がってくるんです。

 

キュリー夫人

ナイチンゲール

シュバイツアー

エジソン

間宮林蔵

リンカーン

 

子ども心に、科学、医学、文化、政治のことなどに驚きや尊敬の念を持ち、将来への思いを膨らめたことを思い出します。

このように、読書は、言語活動に加えて、思考活動も促進するものです。

 

以下が、私たちが1校に支援する100$分の本です。

この本、一冊一冊が子どもたちの言語活動を促進し、子どもたちの将来への役に立つと信じているから、支援活動を続けることができます。

1冊の本を100人の子どもが読む。

100冊の本なら、10000回もの感動を生み出すことができます。

地域図書館として機能しているのなら、保護者の教育にも役立ちます。

すごいことだと思いませんか。

 

ただ一つ残念なことは、カンボジアには出版社が大変に少なく、子どもが読むための本の種類があまりに限られています。

将来的には、出版活動が盛んになって、子どもが読める科学の興味を広げる本や、過去の人物を描いた伝記のようなものがあるといいなと思っています。


最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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