【プロ教師が指導】Boeng Khnar小学校での算数セットを活用した授業(続編)

以前の記事でもお伝えした通り、11月29日から、コンポンスプー州ボンクナー小学校において、全8回タームの算数指導教室を開いています。

その続編をレポートいたします。

授業の開始は、全員起立して、先生とあいさつを交わします。

子どもたちは、皆、礼儀正しいです。

S先生は、元プロ教師ですので、子供への指示も端的で、明確です。

ちょっとした、学習意欲を喚起する課題を提示します。

こちらは、引き算の考え方を身に付ける(俗称)「サクランボ計算」です。

わかりやすい指導ですから、言葉が通じない子どもたちにも理解できます。

子どもに思考する場を次々と与えていきます。

さすがですね。

 

計算カードは、少人数ごと抽出して、前に立たせて競争させます。

その間、子供の声に耳を傾け、思考を読み取ります。いわゆる評価に当たる部分ですね。

カードを読み上げながら、夢中になって取り組む子供たち。

終わった子には、シールを挙げます。

このたった一枚のシールに喜ぶカンボジアの子どもたち。

クリアファイルに張り付けていきます。それが、学習の足跡を示す回数になります。

次のチームです。

朗々と計算式を読み上げる男の子。

カードは、「繰り下がり無し」と「繰り下がり有り」に分かれていて、この日は繰り下がり無しの簡単な方をやりました。

他の生徒たちは、それを見届けながら頭の中で答えを考えています。

いい表情で学ぶカンボジアの子どもたち。

ご支援いただいたものの中には、ほとんど使われていなかったようなきれいなカードもあり、ちょっともったいないような気もします。

休み時間に子どもたちと遊ぶS先生。

子どもたちに好かれる理由がここにあります。

また、ちょっとした遊び道具が、子供たちの興味をそそります。

けんだま。

ながなわ。

次の時間は、100ます計算です。

与えられた時間は10分だけ。

でも、ご覧ください。

そう。

指計算をやっている子が、明らかに減っています。

そうなんです。回数を重ねるごとに、計算力が高まっていくんです。

それは、数学的に言えば、数の概念が形成されている証拠でもあります。

そして、最も肝心なことは・・・。

子ども自身の心に、できるようになっている実感が湧いていることです。

だから、どの子も、喜んで取り組むのです。

その陰には、細やかな先生の個別のかかわりがあります。

支援と言う言葉がありますが、それはお釈迦様の手といわれます。

お釈迦様が天上から人間の世界を見ていました。ふとみると、男の荷車が、ぬかるみにはまって動かなくなっています。周りには、誰もいません。男は、自分でやるしかないと思い、渾身の力を込めて荷車を引きました。そのとき、お釈迦様は見えない手でポンと押して助けてあげました。すると、荷車はぐわっとぬかるみを抜け、男はふうっと一息ついて、また自分一人で荷車を引いていきました。

お釈迦様は「私が押したのですよ」とは言いません。なぜなら、男が自分の力で成し遂げたという達成感を持てませんし、困ったときにまた助けてもらえると思うといけないからです。

このことから、指導とは、自立を目指して行われることがご理解いただけるものと思います。

教師は、あくまでもその補助役なんです。

学習の主体者は、あくまでも子どもたち。

表に出過ぎてはいけない存在でもあります。

 

最後は、すごろくで遊びながら学びを深めます。

これも、日本から支援いただいた教材。

しかし、たかが遊びと侮ることなかれ。

サイコロを振って、コマを進めますが、計算して行います。

つまり、32に止まっていて、6の目が出れば、32+6の計算をすることになります。

人数配分も、3人~4人になるように、そしてチームも意図的に分けます。

子どもたちの活動を見守る先生。

皆さん、日本では廃棄処分される教材が、遠い海外でこのように生かされています。

今回は、さいころは一つ。

次回は、2つのサイコロで行います。

順次、難易度を上げていくのが、指導の工夫です。

だから、子どもも飽きることなく、取り組めます。

1番にゴールした子には、シールをあげます。

もう一段上のステップは、0~9の九面体のサイコロです。

数が大きいので、足し算に繰り上がりが入りやすくなります。

学校が休業中に行われているボンクナーでの算数指導教室。

授業を終えて、帰るときの子どもたちの表情をご覧ください。

もちろん、この指導の裏には、指導時間と同等分の準備の時間があることも知っておいてくださいね。


最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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