【実践理科教材】太陽系の惑星間距離

教員養成大学での活動

遥かなる宇宙。

自ら輝く無数の恒星。

この恒星の内のほんの一つが太陽。

この太陽系をより具体的に捉えるための教員養成校での実践授業です。

太陽系の始まり「ビッグバン」

今から遡ること約138億年前にビッグバンと呼ばれる大爆発が起こり、分子雲と言われる水素が主成分のガスの塊が発生しました。

この分子雲が、重力により収縮し、やがて中心に向かって回転をしながら円盤のような形をつくります。ここに中心のガス密度が極めて高い、惑星状の星雲が生まれたわけです。

中心付近では、水素の核融合によって輝きを放ち始めます。これが太陽の起源だと天文学書では解説されています。

この周囲では、余ったガスや宇宙に漂う塵などがお互いの重力によって引き寄せあいながら、微惑星という塊ができました。

これらが衝突や合体をくり返しながら「原始惑星」と呼ばれる塊に成長していきます。太陽系の惑星は、この原始惑星が成長し、進化を遂げて現在の姿になったものです。地球もこの一つだと考えられています。

このように、約138億年前に発生したビッグバンからさまざまな段階を経て、およそ46億年前に太陽系が誕生しました。

太陽系の惑星の距離感をつかむ

「太陽」の重力の影響がおよぶ空間にある惑星は8個あります。

太陽からの距離が近い順に、

(1)水星:5790万km
(2)金星:1億820万km
(3)地球:1億4960万km
(4)火星:2億2790万km
(5)木星:7億7830万km
(6)土星:14億2940万km
(7)天王星:28億7500万km
(8)海王星:45億440万km

この太陽系の惑星間の距離を、50mのロープを用いて実感する授業です。

授業実践者は、理科担当のバンナー先生です。

巻き尺にラミネートの惑星を吊るしていきます。

惑星の位置は、上の距離を、1億㎞を1mに換算して、決定します。

(1)水星:0.57m
(2)金星:1.1m
(3)地球:1.5m
(4)火星:2.3m
(5)木星:7.8m
(6)土星:14.3m
(7)天王星:28.8m
(8)海王星:45.4m

学生たちの反応

なんと、地球は太陽からたったの1.5mの距離なのか・・・。

俺の身長よりも短い距離だ。

まずは、この事実に驚く学生たち。

海王星がはるか遠くに見えます。

水星・金星・火星あたりがお隣さんに思える感覚を味わっています。

バンナー先生は、これをかつて在籍した日本人教師から教わったものだと言います。

そして、毎年、学生たちに指導教材としてこれを活用していらっしゃいます。

さすがですね。

学生たちにとっても、体験する授業は楽しいものです。

思わずピース。

こういう授業をたくさん行うことが、カンボジアの子供たちの学びには必要です。

活動を伴った学びは、考える力も育てますから。

私たちが指導したものが、学生たちに受け継がれ、教師になった学生たちはそれを現場で子どもたちの指導に生かす。

これこそが、質的な支援と言えるものの一つです。

教室に戻り、各惑星の大きさをおさらいしておきます。

水星 半径2440km。地球の約3分の1
金星 半径6052km。地球より少し小さい
地球 半径6371km。
火星 半径3390km。地球の約半分
木星 半径6万9911km。地球の約11倍
土星 半径5万8232km。地球の約9倍
天王星 半径2万5362km。地球の約4倍
海王星 半径2万4622km。天王星とほぼ同じ

また、この活動は距離感を実感するためのものであって、惑星の空間的位置関係を無視していることも確認しました。

*ちなみに冥王星は、当初は惑星とされていましたが、公転軌道が他の惑星と異なっていたために準惑星とされましたので外してあります。


最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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